鈴木貫太郎~終戦を託された宰相の逸話・名言 奇しくも、戦艦大和が九州・坊ノ岬沖海戦で米軍に撃沈され敗戦が色濃くなった1945年4月7日、鈴木貫太郎が首相に就任。 直ちに終戦交渉の布石を打った。 その手始めは国民に向けた以下の談話だった。 〈私の屍を踏み越えて起つの勇猛心を以て新たなる戦力を発揚し……〉 一見、国民に徹底抗戦を呼びかける内容だが、鈴木の真意は違った。 当時の国内には陸軍を中心とする主戦論と、終戦を「逃げ」と受け止める好戦的な国民感情が渦巻いていた。 下手に「和平」などと口にすれば、血気盛んな将校がクーデターを起こしかねない。 鈴木は早期の戦争終結を目指す本心を隠し、勇猛な演説で軍部と国民を欺いたのだ。 首相就任から一週間も経たないうちに米国のルーズベルト大統領が脳溢血で急死すると、鈴木はルーズベルトに「深い哀悼の意」を表明。 日本と激しい戦いを繰り広げている米国の「ワシン..